最近、鏡を見るたびにため息が出てしまう。お風呂の排水溝も、ドライヤーの後の床も、以前より明らかに抜け毛が増えている気がするからだ。最初は気のせいか、季節のせいかなと思っていたけれど、もう何ヶ月もこの状態が続いている。インターネットで「抜け毛 原因」と検索すると、ストレス、生活習慣、ホルモンバランスの乱れ…そして「病気」という文字が目に飛び込んでくる。まさか自分が、とは思うけれど、心のどこかで不安が拭えない。特に、甲状腺の病気や貧血が抜け毛を引き起こすことがあるという記事を読んでからは、余計に心配になってしまった。そういえば、最近なんだか疲れやすいし、立ちくらみも時々あるような…。考えれば考えるほど、悪い方向にばかり想像が膨らんでしまう。でも、病院に行くのは少し怖い。もし本当に病気だったらどうしよう、という気持ちと、考えすぎかもしれないという気持ちがせめぎ合っている。でも、このまま放置して、もし手遅れになったらもっと後悔するだろう。友人にも相談してみたけれど、「気にしすぎじゃない?」と言われるだけで、なかなか本気で取り合ってもらえない。やっぱり、一度専門のお医者さんに診てもらうのが一番確実なのだろうか。勇気を出して、近いうちに皮膚科か内科を受診してみようと思う。この不安な毎日から抜け出すためにも、まずは一歩踏み出すことが大切なのかもしれない。そこで内科的な要因も考慮し、血液検査を行ったところ、甲状腺機能低下症であることが判明した。甲状腺ホルモンは全身の代謝をコントロールする重要なホルモンであり、その分泌量が低下すると、毛髪の成長サイクルにも影響を及ぼし、抜け毛や薄毛を引き起こすことがあることを覚えておくと良いだろう。