AGA治療を開始すると、髪の毛の変化だけでなく、身体に様々な変化が現れることがあります。その中には、治療薬の副作用によるものも含まれているため、些細な体調変化も見逃さず、適切に対処することが重要です。例えば、フィナステリドやデュタステリドといった内服薬を服用し始めた後に、性欲の減退や勃起力の低下を感じることがあります。これらは代表的な副作用の一つであり、多くの場合は一時的であったり軽度であったりしますが、生活の質に影響を及ぼすようであれば、我慢せずに医師に相談すべきです。また、気分が落ち込んだり、やる気が出なくなったりといった精神的な変化が現れることも稀に報告されています。これらが治療薬によるものか、あるいは他の要因によるものかを見極めるためにも、医師とのコミュニケーションは欠かせません。ミノキシジル外用薬を使用している場合は、頭皮のかゆみや赤み、フケといった皮膚症状が出ることがあります。これらはアレルギー反応や刺激によるものの可能性があり、放置すると悪化することもあるため、早めに医師の診察を受けましょう。治療開始初期に見られる一時的な抜け毛の増加（初期脱毛）も、知識として知っていなければ不安になる体調変化の一つです。事前に医師から説明を受けておくことで、冷静に対処できるでしょう。肝機能障害の兆候として、体がだるい、食欲がない、吐き気がする、皮膚や白目が黄色くなる（黄疸）といった症状が現れることもあります。これらの症状は、AGA治療薬に限らず、他の薬剤でも起こり得る重篤な副作用のサインである可能性があるため、速やかに医療機関を受診する必要があります。AGA治療は長期間にわたることが多いため、定期的な診察を受け、体調の変化について医師と情報を共有し続けることが、安全に治療を継続し、期待する効果を得るために不可欠です。