AGA（男性型脱毛症）は、ある日突然髪の毛がごっそり抜けるというよりは、気づかないうちにゆっくりと進行していくことが多い脱毛症です。そのため、初期症状としての抜け毛の変化に気づくことが、早期発見・早期対策の鍵となります。AGAの初期に見られる抜け毛のサインとして、まず挙げられるのが「抜け毛の質の変化」です。以前と比べて、シャンプーの時や朝起きた時に枕についている抜け毛が、細く、短く、弱々しくなったと感じるようになったら注意が必要です。これは、AGAの原因となる男性ホルモンDHT（ジヒドロテストステロン）の影響で、髪の毛の成長期が短縮され、十分に太く長く成長する前に抜け落ちてしまうために起こります。次に、「特定の部位の抜け毛の増加」です。AGAは、前頭部の生え際や頭頂部から薄くなることが多いのが特徴です。これらの部位の髪の毛が以前よりも抜けやすくなった、あるいはボリュームが減ってきたと感じる場合は、AGAが始まっている可能性があります。鏡で生え際をチェックしたり、頭頂部を合わせ鏡で確認したりする習慣をつけると、変化に気づきやすくなります。また、「ヘアセットがしにくくなった」というのも、間接的な抜け毛のサインと言えるかもしれません。髪の毛全体のハリやコシがなくなり、以前のように髪型がうまく決まらなくなったり、ボリュームが出にくくなったりするのは、髪の毛が細くなったり、本数が減ってきたりしている兆候である可能性があります。さらに、「頭皮の透け感が気になるようになった」というのも初期症状の一つです。髪の毛が薄くなることで、以前よりも頭皮が透けて見えるようになったと感じる場合は、抜け毛が進行しているサインかもしれません。これらの初期症状としての抜け毛の変化は、非常に微妙で気づきにくいこともあります。しかし、少しでも気になることがあれば、自己判断せずに早めに専門医に相談することが大切です。早期に適切なケアや治療を開始することで、AGAの進行を遅らせ、より良い状態を保つことが期待できます。